耳たぶが二つに裂けている人がいる。先天的なものが多いのですが原因は分かっていません。またケガや重いピアスイアリング等によって裂ける後天的耳垂裂もあります。特に女性は和装や髪のアップ等で、身なりを飾る機会が多い社会生活にあって、かくしやすい小さな耳の変形でも気になり、耳垂裂があることでコンプレックスを生じ、人生観さえ変える場合があるのです。手術では、両側の裂け目を縫合するだけでは均整がとれず、外見的にも目立つものです。そのためZ状に縫合したり、分裂した両端の縁が正しく整合するように仕上げます。耳たぶは痛みが少ない部位でもあり、外来通院で約一週間程度で治療は終了します。
耳垂裂や副耳のように、耳には生まれつきの変形が多いものです。その他の変形として袋耳とか貝がら耳、またコップ耳等色々な名称がある変形があります。その一つ一つに手術法があり診断名がつけられています。耳にはなぜこのような変形が起きるのでしょうか、それは、耳が体表より突出している器官としては基底部が小さく、薄い軟骨からできていることに起因しています。それ故、手術法は、軟骨を正常の型に矯正することが基本となります。また耳の成長は十才位で止まるといわれ、どのタイプの変形・奇形の耳でもこの時期までに治療を開始するのが望ましいと思われます。耳は顔の一分野であるにもかかわらず軽視されがちですが、もう一度耳の美しさに目を向けたいものです。
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