2011年の学会報告
我々は第113回沖縄県医師会医学会総会に於いて「真皮脂肪移植の美容外科への応用」と題して以下の如く数例のケースを示しながら報告させて頂きました。真皮脂肪移植は複合移植として小指大位の大きさのものであれば自家組織として良好に移植されます。その応用範囲は形成外科領域で小さな皮膚の陥没改善などに用いられるのですが、我々は美容外科で利用しました。特に隆鼻術のプロテーゼ除去に用いたり、鼻尖部の小さな陥没に対する修理法として鼻に使用して良好な結果を得ております。又、唇が加齢によって薄いので厚い唇を望まれる方にも応用しました。感染の機会が少なく何回も追加手術が出来る点を含めて美容外科での応用範囲はこれからも広がるものと期待しております。
「コンデンスリッチファット療法学術ハンズオンセミナー」東京「TheClinic」で行われたCRF研究会に参加して来ました。
沖縄県形成外科研究会に出席しました。神戸大学の一瀬晃洋先生が講演しました。そして沢山の仲間と顔のしわとりなどどうするか議論しました。額や上瞼、フェイスリフトなど新しい知見を得て帰りました。
一水会(予防医学研究会)、月に1回の勉強であります。今回は少々ワインを飲みながら私の30数年間の開業医の外科的アイデアを発表しました。下記に数点お示しします。
第34回日本美容外科学会総会会長 大慈弥裕之(福岡大学医学部 形成外科教授)年に1回、日本の美容外科医が集結しての学術大会であります。朝8時から開始してその後、昼食を食べながら続きます。そして夕方まで座ったまま沢山の学会報告をお聞きすると云う大変な勉強会です。私自身は2つの座長をお引き受けした事になりますが、それだけでも皆様方の真摯な発表をお聞きするのに汗だくだくでした。印象に残ったのは2つの日本美容外科学会はひとつにならなければならないと云う大きな命題に結着がつきつつあると云う事、世界的に有名なDr Foad Nahaiのしわとり合併症の件、日韓美容外科の交流が盛んになりつつある点などでしょうか?来年は千葉で開催されます。
Lead Fine Lift(Dr Lee Hwang Heui)を勉強しました。同手術(施術法)は顔面の糸によるしわとりの一種と称しても良いのですが、少し特徴的な事があります。顔面のSMAS層に数多くの25.4mmから9mm位の短い溶ける糸を数多く挿入する事によって法令線(鼻唇溝部)、口角部、頬部などの吊りあげをもくろむ方法です。特に施術が容易でダウンタイムがないと云うのが特徴かと思います。持続効果は1年~2年と云う事ですので当院でも積極的にとり入れてきたいと思っております。
「当院での鼻瘤(第3度酒さ)治療の経験」
当院から第3度酒さと称される鼻瘤について報告しました。鼻瘤は沖縄に多い疾患ですが、どのような治療をするのか各施設で統一がありませんでした。又、原因は鼻尖部の毛細血管拡張にあるとされ、誘因はお酒のみによるものがあります。当院での治療はこれ迄、植皮などにて治療をしてきたケースもありますが、最近はこぶの部分を削って軟膏療法で治療し良好な結果を得ております。
「我々の顔面にきび痕の治療方針」と題して報告させて頂きました。顔面のにきび痕はフラクショナルレーザーが良いと云う評価はあるもののにきび痕自体に色々な程度があったり、肌質によってリスクが発生するものです。そこで私共はにきび痕を軽度、中等度、重度に分けそれぞれにパールレーザーを使用したり、エコ2との組合せやフュージョンと云うやり方を用いてより良いにきび痕や毛穴対策を講じてきた今迄の経験をまとめて報告しました。合せましてフラクショナルレーザーの三大合併症である①にきびの発生、②赤味出現、③色素沈着等々の対策を述べさせて頂きました。同日の夜は日本美容医療協会20周年記念並びに公益社団法人認定記念会出席。帝国ホテル東京にて特別講演とし辻井博彦先生の「放射線の人体影響と治療応用」をお聞きして祝賀会に参加してきました。
標記の本学会は年2回開催されております。沖縄県医師会独特の他県にはあまりないユニークな学会であり、各科の先生が同日、ご発表されます。私共も30数年前から出来るだけ自分自身における日頃の医療行動を振り返る意味からもつたない発表を続けさせて頂いております。今回は今年2月に当院主催で開催させて頂きました日本脱毛学会の続編の型で「脱毛レーザー後、埋没毛と似た症状を呈した色素斑」を発表させて頂きました。下記の写真はポスター発表を横にして座長であり、共同演者の新城憲先生とご一緒に撮影したものです。
同協会は今年4月1日をもって特定公益法人となりました。社会に貢献している団体と公的に認められた事になりますので喜ばしい事だと思います。そして今年で結成20年目となります。私も美容医療相談(於:東京)を公開でメールでさせて頂いておりますが、このようなつたない作業が社会への助けになっているとすれば有難い事です。当日はその後、Vビームを用いた赤あざ・赤ら顔の治療、レーザー治療の変遷、教育講演で皮膚の構造と機能、パネルディスカッションで非侵襲治療の適応と限界などのお話しをお伺いする事が出来ました。翌日5月29日(日)は臨床美容外科医会の勉強会を都市センターホテルで行ないました。私は「自験例や他験例における医療トラブルの対処法」と題して発表し、その他、市田先生のお話しもありました。又、警察庁の方より「医療と刑事事件との関わり」と云う身近なお話しも加わっております。午後からは石川浩一先生「サーマクールについて」岩城佳美先生「PPP治療について」江崎哲雄先生「植毛の歴史」古川晴美先生「美容外科の歴史」等々のご講演がありました。細かい技術、詳しい理論、実際に困った事など表向きでは云いにくい事などディスカッション出来た事は幸いでした。
第54回 日本形成外科学会・学術集会出席会長は私の警病時代の後輩である現・徳島大学形成外科の中西秀樹教授です。是非出席しなければと思い会長招宴のある学会前日(12日)から出掛けました。東北大災害の復興途中、自粛ムードのある中での集会でしたが、大盛況に終了しました。実りの多い学術集会で、きっと明日の日本へ向っての第一歩となるでしょうし、亡くなった方、被災をお受けになって今もお困りの方々へ学術的見地からの力強さをみせていきたいと思っております。
日本臨床皮膚外科学術集会と日本臨床毛髪学会の合同学術集会が沖縄県の万国津梁館で開催されました。主催者の倉田・佐藤両会長より数ヵ月前、協力打診がありました。その中で学会最後のパネルディスカッションに出てほしいと頼まれました。私は「我々のこだわり」と題してこれ迄の当山美容形成外科医の歩みと広報戦略、それに我々の行なっている小外科手術の工夫と特徴を出してみました。小外科手術ではいかにしてリスクが少なく患者様に安心して頂ける手術をするか、①小さな切開、②術後の固定方法、③特殊な症例の地域医師連携、④看護師さんなどとの協力関係を述べさせて頂きました。アメリカや韓国の先生方も沢山参加されましたが、県内からは私一人であったのが少しく淋しい感がしました。
「Gentle Maxにおけるレーザー脱毛で生じた埋没毛?」と題してご報告させて頂きました。レーザー脱毛の欠点のひとつに埋没毛がありますが、皮下に残した毛と云われこの埋没毛が出現しますと対応に苦慮します。一方、Gentle Maxにおけるヤグレーザーの使用は男性のヒゲ脱毛に大変効果を発揮しますが、埋没毛らしき黒色点状が沢山出てくる事があります。これが本当に埋没毛であるのか?と云う疑問から我々は顕微鏡検査を病理医の先生に依頼、その結果埋没された毛は認められず単なる色素斑ではないかと結論付けております。その結果で治療もCo2レーザーで焼けば充分であると思いますし、Qスイッチヤグレーザーならなお良いのではないかと思っております。
当院で脱毛研修会を致しました。40人の看護師、医師が参加して楽しく絶縁針脱毛やレーザー脱毛のやり方を研修致しました。