2010年の学会報告
本学会の会頭をおおせつかりました。名誉ある事ですが、何故かおもがゆい感がしました。まだ自分では現役のつもりなのですが、まつりあげられている感がしないでもなかったからです。いずれにしろ私にとっては長い一日でしたが、無事終了する事が出来たとほっとしております。当学術集会に於いても我々は「当院に於ける顔面、にきび痕の治療」と題してパールレーザーやエコ2フラクショナルにおけるにきび痕の治療を報告致しました。特ににきび痕の程度を軽・中・重度と分けてそれぞれの治療成績、リスクなどを述べました。
形成外科、九州地方会が沖縄で開催されたのは長い歴史の中ですが、今年で3回目です。第11回集会を当山形成外科が開催したのは懐かしい想い出となっておりますが、それから約28年が過ぎていると云う事になります。今回、我々は「当院に於ける躬幹(背部、胸部)の化膿性粉瘤治療」と題して沖縄県に多発する『とーふぬかーし』の治療方法を述べました。特に炎症性の処置を含めて再発なくきれいに完全摘出をするのはどうしたら良いか等々を報告しました。
この勉強会のメインテーマが「Non-surgical なシワの治療」となってました。演者の方々からシワのメカニズムや組織学的変化などや手術以外の効果的なシワの治療などご発表がありました。私は追加として「額の縦ジワのヒアルロン酸注射によるリスク」と称して3症例プラス1ケースをお示しさせて頂きました。深い層にフィラーを入れると動脈閉塞が起りやすいので注意が必要であると云う内容です。
コンデンスリッチファット(濃縮脂肪幹細胞移植)による豊胸術のライブサージャリー見学、以前から大変興味を覚えながら一歩前へ進む事が出来ないままでおりましたコンデンスリッチファット(CRF)のLive surgeryをいちだクリニックで見学させて頂きました。同手術に於けるLive surgeryは2回目です。一回目とはやや違う手法でしたが、次第に方法論や理論が読めてきたと云う感じの見学でした。
第12回 OSAPS 2010 参加してきました。日本の大森清一先生が提唱して開催した東洋美容外科学会(OSAPS)は隔年毎開催され今回で第12回となります。今回は東京で久しぶりに開催され、昭和大学医学部形成外科の保坂先生が主催されました。沢山の外国の方が参加され賑やかで盛り上がりましたが、急遽、中国の先生方が参加取りやめになられたのは残念であり、政治的黒い影を感じました。内容的には脂肪幹細胞移植の現況、顔のしわとりの新しい概念など面白い発表が多かったと云う印象です。
第33回 日本美容外科学会(亀井会長)に参加したのです。その中で我々は2題の報告をしました。「ニキビ痕を含めた我々の肌荒れ治療」、「眼瞼下垂手術後の長期経過(25年)の1例」の2演題です。新しい試みによる e-Poster が採用されていましたので質疑はありませんでした。その他として会長招宴席で「私のゴルフ人生」を語らせて頂きました。(要望があったからです)又、経営セミナー4で「私の考える美容医療の将来像」の座長をさせて頂きました。演者は、みやた形成外科・皮ふクリニック 宮田成章先生、自由が丘クリニック 古川登隆先生、タカナシクリニック新宿 髙梨真教先生でした。
Dr Patrick L. Tonnard、Dr Alexis Verpaele 海外招待(ベルギー)のお二人と記念写真。フェイスリフトでMACS-liftの考案者です。私共は当学会に於いて「当院に於ける上瞼内側部、黄色腫の取り方~特に切除法の分類を中心にして~」シンポジウム「次世代に伝えたい美容医療を求めて」の中で「警病形成外科第2期の黄金時代を振り返って」と云う2つの発表をさせて頂きました。
第5回 トータルセラピーミーティング関西にて「ニキビ痕の治療」と題してこれ迄当院で治療した経験をお話させて頂きました。「にきび痕」は女性の悩みが深いのですが、専門性をもって治療されている方は少ないもので、やはり難治性であります。その中でパールレーザーの経験やフラクショナルレーザー(エコ2)を組合せたFusion変法について述べさせて頂きました。少しく整理整頓が出来た所でもう少しニキビ跡を分類して適応を厳格にしていきたいと思っております。
第110回 沖縄県医師会医学会に於いて我々は「当院に於ける上瞼内側部・黄色腫の取り方」と題して上瞼に発生しがちな黄色腫の除去を6の型に分けてそれぞれの手術内容を発表致しました。簡単に除去出来る方法から植皮を必要とするのまで種々でありますが、ひとつの基準を設ける事により黄色腫除去の基本が分かってくれるものと思っております。
「豊胸術インプラント除去後の発生したChronic expanding hematoma の2症例」一般的に豊胸術後、インプラントを除去するケースは多いが、そのような時、多くの医師はインプラント除去のみを目的としている。即ちインプラント除去後のカプセルや石灰沈着はそのままにしているのですが・・・。我々は結論として長期にインプラントが入れられていたケースはカプセルが厚くなっていたり、石灰沈着が空洞内に広範囲に残るので、その影響を危惧するものであると報告しました。特に今回2症例に於いて術後数ヵ月経ってから血腫を生じ苦労したケースがあるので、この症例を検討し、Chronic expanding hematoma であると結論し報告しました。豊胸術のインプラント除去後に残る種々なるトラブルもある事からカプセルの状態などを勘案した処置、例えば一部のカプセルや石灰はとり除き圧迫を加えるケースも多々あるのではないかと注意をやっきさせて頂きました。